【接骨院開業】居抜き譲渡物件の事例 メリット・デメリット
「居抜き物件」で接骨院を開業された事例を紹介
競争が激しいエリアでは、施術所の増加数と同じくらいの割合で廃業も増えているという情報を耳にします。
実際、接骨院の居抜き物件も数多く存在し、開業コストを抑えるために居抜き物件を中心にテナントを探す方も多くいます。
今回開業支援させていただいたA先生は関西の柔整専門学校出身ですが、東京で数年間経験を積まれていました。
この度、帰阪しての開業を決意されたのですが、すっかり関西地区の事情に疎くなってしまったとのことでしたので、最新の業界情報などをお伝えしながらしっかりとサポートさせていただきました。
開業場所の選定
接骨院の開業にあたり一番の悩みどころが「テナント物件」探しです。
A先生は開業予算が限られる中、居抜き物件にも関心を持たれていたので、希望の私鉄沿線を開業エリアに定めて通常物件・居抜き物件を問わず、不動産屋に飛び込み情報収集をされました。
しかし希望する物件が見つからず、少し範囲を広げて物件探しをするためにインターネット検索で情報を収集することにしました。
☆鍼灸柔整新聞の墨字版 居抜き・譲渡物件情報もご覧ください
物件決定! 設備一式も譲渡
A先生は偶然にもインターネット検索で、希望する立地に理想の物件を見つけました。
早速、不動産屋に問い合わせると「今月末に設備一式(造付けの内装、医療機器、什器備品等)を撤去する予定です。今なら設備の譲渡も可能です」とのことでした。
設備一式を確認していただき、まだ十分使用できる状態だったので譲り受けることにされました。
この設備の譲渡契約は以前の使用者と行うのではなく、不動産屋が依頼した設備機器に関する業者が間に入り「譲渡契約書」を交わして譲渡契約が成立しました。
この譲渡契約書は、「日本政策金融公庫」から融資を受けるときに提出する創業計画書に設備一式と記載する契約(見積書)の証として添付しました。
譲渡契約書について
契約書には、以下の項目が記載されていました。
当事者間で譲渡契約を交わすときの参考にしてください。
1.売主、買主 2.譲渡の目的と店舗所在地 3.引渡日 4.譲渡の金額 5.支払い方法 6.支払期日 7.引き渡しの条件(現状有装や所有権の移転について) 8.担保等が設定されていない 9.損害賠償について 10.瑕疵担保責任について 11.延滞金について 12.署名押印に関して 13.契約解除について
その他、必要に応じて項目を追加してください(譲渡リストを別紙で作成)。
ちなみに不動産売買、営業権の譲渡等の契約書には印紙は不要です。(国税庁の印紙税を参照)
例)機械の売買には印紙は不要ですが取付料には印紙が必要となるので、機械本体と取付代金の契約書を分けましょう。
居抜き物件のメリット・デメリット
メリット
1. 内装工事の施工期間の短縮
2. 設備、医療機器の初期投資の圧縮
A先生の場合は、幸いにも物件探しから融資実行、オープンまで僅か2カ月で開業できました。
通常の接骨院の開業スケジュールと比較して、内装工事に要する約1カ月分の時間が省けたうえに、短縮できた1カ月分の家賃をそのまま設備一式に有効活用できるので初期投資を抑えることができました。
デメリット
デメリットとして考えられるのが、以前の施術所がどのような経緯で廃業にいたったか、何かトラブルがなかったかということです。
よく聞く話として、悪いイメージを払拭するのに1年以上を要したという話を聞いたりすることがあります。
居抜き物件を契約する際は、その辺の事情も確認しましょう。