5月22日付で、厚生労働省より通知が発出されました。
目次
柔道整復療養費の改定について
改定率 0.27%
施行期日 令和2年6月1日
改定の内容
○ 初検時相談支援料の要件強化及び引き上げ
○ 整復料(骨折、脱臼)、固定料(不全骨折)、後療料(骨折、不全骨折、脱臼)の引き上げ
【改定案】
現行 | 引上額 | 改定後 | |
初検時相談支援料 | 50 円 | 50 円 | 100 円 |
整復料(骨折、脱臼) | 2,500 円~ 11,700 円 | 100 円 | 2,600 円~ 11,800 円 |
固定料(不全骨折) | 3,800 円~ 9,400 円 | 100 円 | 3,900 円~ 9,500 円 |
後療料(骨折) | 820 円 | 30 円 | 850 円 |
後療料(不全骨折、脱臼) | 690 円 | 30 円 | 720 円 |
○距離加算を往療料に振り替えて包括化
【現行】 往療料(基本額)1,860円、往療距離加算2㎞毎に800円
※ 2㎞超800円、4㎞超1,600円、6㎞超2,400円
【改定後】往療料2,300円、4㎞超2,700円
初検時相談支援料の要件強化<動画解説>
変更内容
下線部分が変更箇所。
○ 柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項
第2 初検料及び初検時相談支援料
9 初検時相談支援料の取扱いについては、以下によること。
(1) 初検時において、患者に対し、施術に伴う日常生活等で留意すべき事項等をきめ細やかに説明した場合に算定できること。
具体的には、
- 日常生活動作上での励行事項や禁止事項(入浴、歩行、就労制限、運動制限等)
- 患部の状態や選択される施術方法などの詳細な説明(施術計画等)
- 受領委任の取扱いについての説明(対象となる負傷、負傷名と施術部位、領収証の交付、申請書への署名の趣旨等)
- その他、柔道整復師が必要と認め、懇切丁寧に行う相談支援 とする。
なお、①、②については、施術録に簡潔に記載するとともに、③については説明した旨を記載すること。
(2) 同月内においては、1回のみ算定できること。また、6により初検料のみ算定した場合においては初検時相談支援料は算定できないこと。
初検時相談支援料についての施術録の記載・整備事項 ~カルテの書き方~
下線部分が変更箇所。
(9)施術の内容、経過等
施術月日、施術の内容、経過等を具体的に順序良く記載すること。
初検時相談支援の内容は、①及び②については、簡潔に記載することともに、③については、説明した旨を記載すること。
① 日常生活動作上での励行事項や禁止事項(入浴、歩行、就労制限、運動制限等)
② 患部の状態や選択される施術方法などの詳細な説明(施術計画等)
③ 受領委任の取扱いについての説明(対象となる負傷、負傷名と施術部位、領収証の交付義務、申請書への署名の趣旨等)
初検時相談支援料 疑義解釈資料
(問1) 初検時相談支援料の患者への具体的説明事項として施術録に簡潔に記載するよう新たに追加された項目は、それぞれどのような内容を伴うものか。
(答) 「運動制限」とは運動を行っている患者への運動制限事項等について、「施術計画」とは負傷の見立てと施術計画について、施術録へ簡潔に記載した場合に算定できること。
(問2) 初検時相談支援料の患者への具体的説明事項として新たに追加された「③受領委任の取扱いについての説明(対象となる負傷、負傷名と施術部位、領収証の交付義務、申請書への署名の趣旨等)は、それぞれどのような説明をおこなうものか。
(答) 「対象となる負傷」とは、療養費の対象となる負傷は、外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲及び捻挫であることの説明。
「負傷名と施術部位」とは、施術者が判断した捻挫などの負傷名(療養費支給申請書に記載する負傷名)と施術を行った部位の説明。
「領収証の交付」とは、協定・契約により交付が義務付けされていることの説明。※ 患者から一部負担金の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、領収証を無償で交付することとされている。
「申請書への署名の趣旨」とは、施術内容に応じて給付される療養費の給付の受領を施術者に委任することについての説明。
(問3) 「なお、①及び②については、施術録に簡潔に記載するとともに、③については説明した旨を記載すること。」とあるが、初検時相談支援料は施術録にこのような記載をした場合にしか算定できないのか。
(答) そのとおり。③については、説明した旨「○」、「✓」、「説明済み」などの記載で差し支えない。
柔道整復施術療養費に係る疑義解釈資料の送付について(令和2年6月19日 事務連絡)
全国柔整鍼灸協同組合(全柔協)事務局長による解説療養費支給申請書の記載事項について
負傷原因欄について、従来の様式では「負傷原因・業務災害通勤災害又は第三者行為外の原因による」となっていますが、新様式では赤字部分を削除し、以下の①~④のいずれかを記載すること(当分の間、従来の様式を釣り繕って使用できる)。
①業務災害通勤災害又は第三者行為外の原因による
②第三者行為による。( )……該当する場合は()に「交通事故」か「その他の事故」のどちらかを記載
③業務災害(通勤災害、第三者行為)の疑いがある原因による( )……該当する場合は()に具体的な負傷の原因を記載
④職務上(通勤)の原因による。(船員保険に限る)
受領委任の取扱規程に「反社会的勢力の排除」を追加
受領委任の取扱規程に「反社会勢力の排除」が追加されました。これにより令和2年6月1日以降、新たに受領委任の届出または申出をした場合には、施術管理者または開設者が反社会的勢力ではない旨の誓約書の提出が必要となります。
誓約書に虚偽があった場合は、受領委任の取扱いが中止となります。