開業場所や物件を選定する3つのポイント
成功する接骨院経営をするために、開業場所や物件を選定するために重要なポイントは3つです。
- 立地の特徴から開業場所を選ぶ方法
- コンセプト(施術方針)から開業場所を選ぶ方法
- 物件の選定ポイント
立地の特徴から開業場所を選ぶ方法
接骨院の開業場所の決定は非常に重要です。
立地条件や自宅からの通勤距離等を考慮しながら、もっとも有益だと思える場所を探したいものです。
例えば、駅前・商店街・オフィス街・住宅街などの立地によって、患者の特徴やどのような施術を提供できるのかイメージしてみましょう。
立地別の特徴
駅前
●乗降客が多い特急、急行が停車する駅前
遠方からの集患を見込めるので実費の比率を高めることが可能ですが、同業・類似業者(整体、カイロ、リラクゼーション)のライバルも多くなります。
●普通電車が停車する駅前
住宅地に程近い立地が多いため、幅広い患者層をターゲットにすることができます。
このような場合はテナントが少ないので、こまめに空き状況を把握する必要があります。
商店街
●大きな商店街
実費の比率が高く遠方からの集患も見込めます。買い物のついでに通院できるので、同家族内の患者を増やすことが可能になります。
ただしテナント賃料が高い傾向があります。
●地域の商店街
子どもから高齢者まで地域の患者に永く愛される施術所を目指すことができます。
最近ではテナント料が手ごろのため同業者が多く出院しています。
オフィス街
平日の集患
職場の近隣で利便性が高く、昼間や帰宅時に通院しやすい立地なら集患が期待できる。比較的、実費施術の要望が強い患者が多い。
ロードサイド
幹線道路(ファミレス、コンビニ等)
車での移動を主とする集患
インパクトが高く、院と患者の利益が一致すれば予想以上の集患が可能です。
その反面運転に集中しなければならない場所では、院の存在に気付かないこともあります。
住宅街
一戸建て住宅
幅広い年齢層の集患
メリットは駅前より家賃を抑えることが出来ること。デメリットとしては、その地域以外の患者にも院の存在を知っていただく工夫が必要になります。
集合住宅店
主に高齢者の集患
限られたテナント数しか存在しないので、借りることが出来れば集患が見込めます。しかし高齢者が多いので実費の割合が低くなります。
商圏を分析
気になるエリアがあったら、一度商圏を分析することをオススメします。
分析のポイント
- 人口分布(世代別)
- 昼夜間の人口差
- ターゲットとする患者層の確認(性別・高齢者・運動部学生)
- 最寄り駅、バス停の確認
- 行政区、学区の確認
- 信号、大通り、高架、河川、橋の確認
- スーパー・郵便局・銀行・役所など施設の確認
人口分布は市役所や図書館などで調べることもできます。また駅やバスの乗降客は鉄道会社、バス会社に聞いてみましょう。全柔協では、個別相談などをご利用いただいた方を対象に専門業者が分析する市場圏調査表を無償で作成しています。
コンセプト(施術方針)から開業場所を選ぶ方法
まずコンセプト(施術方針)を決めます。
ご自身が得意とする技術が生かされる場所をイメージしてみてください。
- 高齢者をターゲットに保険を中心にしたい⇒ 住宅街、集合住宅
- 保険をメインとして自費も積極的に取り入れたい⇒ 駅前、商店街
- 自費をメインとし一部保険も取扱い⇒ 大きな駅前、オフィス街
- スポーツ外傷⇒ 通学路
物件の選定ポイント
物件選定は理想と現実の間で悩まれる方が多いのではないでしょうか。
物件選定のポイント
- 理想のレイアウトは可能か
- 資金的に無理のない物件か(家賃、保証金)
- 視認しやすいロケーションか
- 駐車場、駐輪場の確保ができるか
- 近隣の医療機関、接骨院の所在は確認できているか
- 通院の利便性があるか
- 近隣の理解が得られるか
迷ったら一度相談することも大切
理想の物件との出会いはそう簡単に訪れませんが、そこは、創意工夫です。
不利だと思われる立地や物件でも、それを補う工夫ができるかが重要です。
仮に、同じビルでも1階と6階では大きく賃料が異なります。
1階の路面店は賃料は高いですが、視認性が高いので宣伝広告費が少なくてすみます。6階は賃料は安いですが同じ集患をしようとすると多くの宣伝広告費をかけなければなりません。
そこで6階の物件は集患数という数字でなく、客単価を高くする工夫を考えてみます。それは施術技術であったり、きめ細やかな接遇であったりと様々な方法があります。
全て理想的な開業場所や物件を見つけるのは難しいものです。
接骨院の開業場所選定で迷ったら一度専門家に相談してみることも大切です。
多くの事例をみてきた専門家に相談し色々な問題点のアドバイスを受けることで、不利な点もメリットへとつなげられることがあります。